東北工業大学

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学長室

学長メッセージ集

No.1平成28年度入学式式辞 ー 新入生の皆さまへ ー

2016.04.04

東北工業大学に入学した学部学生、大学院学生の皆さん、誠におめでとうございます。
また、皆さんをここまで育て、支えてこられたご家族や関係者の方々に対しましても、心よりお祝いを申し上げます。
本日、皆さんをお迎えできましたことは、私ども東北工業大学の一同にとりまして、このうえない喜びとするところであります。

今年度の新入生は、工学部559名、ライフデザイン学部218名 学部学生の合計は777名、 大学院工学研究科およびライフデザイン学研究科の両研究科の博士前期課程18名 学部学生および大学院学生を合わせて総計795名であります。
本日、ここに新入生を迎え、ご来賓の方々、ならびにご父母、ご家族の皆様と共に、東北工業大学ならびに同大学院の平成28年度入学式を行うことが出来ますことを、たいへん喜ばしく思い、関係の皆様方に深く感謝申し上げます。

さて、東北工業大学は1964年に創立され、52年の歴史を持つ大学であります。これまで 34,027名の学部学生が卒業し、大学院の博士前期および後期課程 656名 の大学院学生が修了しています。 本学の建学の精神は、わが国、特に東北地方の産業界における指導的役割を担う高度の技術者を養成することとしております。これまでの半世紀において卒業生の活動は、地域を支え、社会に貢献しています。
創設時を回想した随筆「あの頃の工大」が、本学の学内広報誌である「工大広報」No.86/昭和57(1982)年7月19日号に、吉田賢抗先生、この方は本学で初めて名誉教授になられた倫理学の教授ですが、本学の特色として「いい人間をめざせ」と提唱しています。東北工大の卒業生は、学力は勿論だが「いい人間、人柄が善い」の定評が得られる大学にしようではないか、という提唱であります。
21世紀に入って、本学のスローガンは「創造から統合へ-仙台からの発進-」と定められました。これは、本学の名誉理事長 岩崎俊一先生が提唱されたことばで、建学の精神を端的に表しており、本学の理念とともに、本学が目指す特色、そして人生の目標ともなりえるものです。
創造とはいうまでもなく,社会の進歩に役立つ知識や方法を見出し、人材を育成することであります。また統合とはそれを実際に応用して正しく役立たせること、社会や人類に貢献することを表わしています。それを東北、仙台の地で学び、そこを出発点としようということであります。

あの東日本大震災から5年が経過しましたが、被災した地域が、まだまだ復興途上にあることは 皆さんも実感されていると思います。被災した地域を復興させ、東北の産業を発展させるため、本学の建学の精神に沿い、大学のスローガンを実践することが、被災地の復興にも大きく貢献することになるのであります。

このような観点から,私は皆さんに二つのことを望みます。
その第一に,勉学で大切なことは、単に知識を受けとるだけではなく,自ら調べるということであり、皆さんにそのような積極的な姿勢を持ってほしいということであります。
科学技術は,多くの人による創造と、その実用化への努力の積み重ねによって進歩してきました。その過程はまさに創造から統合への歴史といえます。知識の受け入れのみでは創造はできません。自主的な勉学によって新しいことが生まれます。 つまり「創造」のために必要な勉学のその第一歩は,「日常の授業や実験実習における疑問は 自分で納得するまで調べる」という積極的な勉学姿勢です。

第二に望むことは,自分の人間性,人格を高めることに努めて欲しいということです。 社会において大事なことは人間のモラル、道徳心です。大学時代の経験は人間性、人格を高めることに大きく役立ちます。皆さんには,そのために部活など課外活動に参加されることを勧めます。部活は人間性を豊かにし,コミュニケーション能力を高めます。またボランテイアなどの課外活動は、他人に対する思いやりと奉仕の実践であります。人間として、人の弱さや痛みを理解し、その人達に知恵と、技術と、誠意で暖かい手を差しのべることが大切です。「統合」という社会や人類への貢献のための活動は、それを施す人の品格、人間性に大きく関わることになるからです。

そのような目標を達成できるように本学は、皆さんのための教育研究用知財、熱心な教員と熱意をもって支援する職員および施設、設備や各種施策そしてご家族など皆さんの周りの方々との協力体制、など皆さんの学修環境を整えております。 皆さんの夢や目標が達せられるよう、私たち教職員は皆さんを全力で育てていきます。
ご父母の皆様、ご来賓の皆様方にもご協力、また励ましもどうぞよろしくお願いいたします。

「東北工業大学の卒業生は素直で、真面目で、忍耐強い」という評価は、多くの方から寄せられております。創設当初に目指した本学の特色が、社会に定着しているように私どもは自己評価しております。 皆さんはそのような先輩の後に続くことが期待されています。皆さんは本日その一員となりました。「社会、人類に貢献する東北工業大学」を誇りとし、「東北工業大学で学んだ良い人間」になれることを信じて、東北工業大学における学生時代を有意義に過ごしてください。

以上をもって式辞とします。

本日はご入学おめでとうございます。

東北工業大学 学長
今野 弘