東北工業大学

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学長室

学長メッセージ集

No.38学位授与式 式辞

2018.03.20

本日 ここに、晴れて学位を授与された皆さん、おめでとうございます。東北工業大学を代表して、心よりお祝いを申し上げます。また、皆さんを支えてこられたご家族の皆様にも、心よりお慶びを申し上げます。

本日 卒業する学部学生は、工学部422名、ライフデザイン学部164名、合計586名。大学院 博士前期課程の修了生は、工学研究科14名、ライフデザイン学研究科1名、後期課程の修了生は、ライフデザイン学工学研究科1名 合計16名。卒業生、修了生の合計は602名であります。
みなさんの入学は、2014年およびそれ以前ということで、東日本大震災に遭遇した時期にあたり、地域の復興、再生を志して入学された方も多かったのではないでしょうか。
卒業生、修了生の皆さんは、これまでさまざまな困難を克服し、ご家族のみなさんの支えと周囲の方のご協力のもとに、本日の栄えある学位授与式を迎えることができました。
お祝いとともにみなさんのその努力に敬意を表し、ご支援され、励ましてくださったすべてのみなさんに感謝とお慶びを申し上げます。

本学は、『わが国、特に東北地方の産業界で指導的役割を担う高度な技術者を養成する』という建学の精神をもって1964年に創設されました。すでに半世紀を過ぎ、これまで輩出した約35,000名の卒業生、修了生の活動は、東北地方のみならず国の内外において、地域を支え、社会に貢献しています。
本学は21世紀の初頭に、本学の建学の精神と教育の理念を端的に表わすために、大学のスローガンを定めました。
それが「創造から統合へ 仙台からの発進」という言葉です。

卒業、修了にあたり、改めてこの言葉の意味を考えてみましょう。

「創造」とは、新たに作ること、新しいものを造りだすことという意味です。みなさんが学んできた学問は、工学であり、ライフデザイン学ですが、新しい理論、技術、製品、デザイン、環境、様式、そして豊かさなど、造りだされるものは大きな広がりがあります。新しいことを考えることが創造ですし、みなさんのような若い人材が育つことも創造といえるのです。

そして「統合」とは、社会や人々の役に立つと言うことであり、貢献するということですので、「創造から統合へ」というのは、創造されたものを社会に役立てるということ、世界の人々、人類に貢献するということを本学のスローガンとしているということです。

みなさんは、本学のカリキュラムや教育を担った教職員など整った教育環境において、在学中に、創造および統合する能力を備え、専門家としての必要な素地と、人間力を蓄えたことで、大きく成長できたものと信じております。

その具体の能力を、本学の教育で備えるべき学士力として明らかにしています。それらを、①知識と理解力、②論理的思考と分析スキル、③協調性と適応力、④コミュニケーションスキル、⑤問題発見とその解決能力、そして⑥国際理解と言語力という6つの項目にまとめています。知識や理解力としては、教養や専門学科で特化した能力も含まれています。

本日 みなさんは、それぞれの分野に関する学位を授与されました。本学が示す学士力を備え、それぞれの学位に見合う能力の証としての学位です。
日進月歩で技術は発展し、社会は変貌しておりますので、みなさんはこれから新たな課題に直面することが多くあると思いますが、自信を持って、誇り高く、臨んでいただきたいと思います。

みなさんの会得した学士力、学位を今一度確認しておきましょう。

第一は、まずいろいろな課題に対応する基礎知識
第二は、それを活用する能力
第三は、基本的な方針やポイントの整理に基づく全体計画と順序立てた実施計画の策定、計画の進行に伴う総括、見直しと再計画
第四は、周りの方々との意見交換や共同作業によって切り拓いていく手法
などを学んできました。
自身の課題を考えるとき、もちろん専門的な観点と、社会の人々の視点も取り入れること、その解決がどのような社会的意義を持つことになるか、人類にどのように役立つか、という視点も大切にしてきました。

みなさんが本学で得たものは、これから当面する課題や仕事上はもちろんのこと、一生涯にわたって大きな推進力となるはずです。
そして、大学時代に成長できたように、その能力は、経験を重ねることで、年齢とともにバージョンアップしていくことになります。

スローガン「創造から統合へ」は、大学のスローガンですが、人生のスローガンとしても価値がある言葉です。人生を切り拓いていける言葉です。

自分自身の可能性を信じ、社会のため、地域に生きる人々に貢献するために、スローガンにこれからも誠実で、正直に、そして謙虚に取り組み、みなさん自身の定めた目標に向かって歩んでいただきたいと思います。

結びに、みなさんに愛情を持って接した教職員、そして過ごした東北工業大学ならびに、ともに学んだ学友を忘れないでください。
仙台で成長し、仙台から発進するみなさんのこれからの人生が大きく拓かれ、豊かでありますことを祈念して、式辞といたします。

平成30年3月20日
東北工業大学 学長 今野 弘